1級造園施工管理技士とは?受験資格・難易度と監理技術者として活きる職場
1級造園施工管理技士は、公園や緑地、街路の植栽といった造園工事で、現場の技術上の責任者を務められる国家資格です。造園の現場で経験を積んできた方にとっては、キャリアの節目になる資格といえます。一方で、「取ったあと、転職市場でどれくらい評価されるのか」が見えにくい資格でもあります。
こんなお悩みはありませんか?
造園の現場で10年近くやってきた。1級を取ると、仕事や立場は何が変わるんだろう?
1級造園を取っても、施工管理の求人で本当に評価されるのか不安…
土木の1級と造園の1級、どちらを先に目指すべきか迷っている
1級造園施工管理技士は、造園工事の監理技術者になれる資格で、会社の許可や公共工事の入札にも関わります。この記事では、資格でできることと受検資格に加え、当サイトの求人データの実情も正直にお伝えしたうえで、資格が活きる職場と探し方を紹介します。
この記事では、1級造園施工管理技士でできること、造園が「指定建設業」であることの意味、2級との違い、2024年度から見直された受検資格、試験の傾向と勉強の進め方を順に解説します。後半では、当サイトに掲載している求人の中で造園の資格がどう扱われているかを数字で示し、そのうえで資格が活きる職場と、土木の施工管理と組み合わせたキャリアの考え方を紹介します。結論から言うと、1級造園は「造園工事を元請として受ける会社にとって欠かせない資格」であり、求人票の件数だけでは価値を測りにくい資格です。
この記事のポイント
- 1級は造園工事の監理技術者・主任技術者になれ、特定建設業の営業所技術者等も担える
- 造園は指定建設業。特定建設業の許可を取るには1級の資格者などが必要になる
- 第一次検定は19歳以上なら受検でき、合格すると1級技士補として監理技術者補佐になれる
- 当サイトの求人で1級造園を「必須」とする求人は0件、記載がある求人は1件だけ
- 公共の公園・緑地工事や土木会社の緑化工事で活き、1級土木との組み合わせで幅が広がる
あわせて読みたい施工管理技士とは?資格の種類・受検資格・取得するメリットを解説【2024年度改正対応】施工管理技士は、建設工事の施工管理に関する国家資格です。7つの種目と1級・2級の違い、2024年度から見直された受検…
1. 1級造園施工管理技士とは?公園や緑地の工事を責任者として動かす資格
1級造園施工管理技士とは、建設業法にもとづく施工管理技術検定の「造園」種目の1級に合格した人が名乗れる国家資格で、造園工事の監理技術者や主任技術者になれます。 施工管理技士には建築・土木・電気工事・管工事・造園・建設機械・電気通信工事の7つの種目があり、造園はその1つです。工程・品質・安全・原価といった施工管理の基本は他の種目と同じですが、相手にするのが樹木や芝、土壌といった「生きもの」と「自然の素材」である点に、造園ならではの特徴があります。
1-1. 造園工事とはどんな工事か
造園工事は、樹木の植栽や芝張り、景石の据え付けなどによって、庭園や公園、緑地をつくる工事です。道路の街路樹や中央分離帯の植栽、建物の屋上や壁面の緑化、工事で失われた植生を回復させる工事なども、造園工事に含まれます。公園であれば、園路や広場の整備、遊具やベンチなどの公園施設の設置まで、造園の会社がまとめて受けることもあります。
どの工事が建設業法上の「造園工事」に当たるかは、工事の内容によって判断されます。たとえば住宅の外構でも、庭づくりや植栽は造園工事に当たることが多い一方で、塀や舗装の工事は別の業種として扱われることがあります。業種の区分の詳細は、国土交通省の資料で確認してください。
造園の施工管理が難しいのは、植えた樹木が根付くかどうかが、植える時期や天候、土の状態に左右される点です。工程表どおりに進めるだけでなく、植物にとって無理のない時期と段取りを考える必要があり、ここに経験の差が出やすいといわれます。
1-2. 1級で就ける立場:監理技術者・主任技術者・営業所技術者等
1級造園施工管理技士になると、造園工事について次のような立場を担えます。
- 監理技術者:元請として受けた工事で、下請契約の総額が一定額以上になるときに現場に置く技術者。2025年2月以降は、下請代金の総額が5,000万円以上の工事が対象です
- 主任技術者:請け負った工事の現場に置く技術者。規模の小さな工事や下請として入る工事で担います
- 営業所技術者等:建設業の許可を受けた営業所に置く技術者。特定建設業の営業所では「特定営業所技術者」と呼ばれ、造園では1級の資格者などが求められます
一般財団法人建設業技術者センターの公表値では、1級造園施工管理技士で監理技術者資格者証を持つ人は31,383人(2026年8月末時点)です。同じ基準で1級土木は312,127人、1級建築は169,454人なので、造園は人数の少ない専門性の高い資格といえます。なお、この人数は複数の資格を持つ人を資格ごとに重複して数えたもので、資格者証を取っていない人もいるため、資格を持つ人の総数はこれより多いと考えられます。
2. 造園は「指定建設業」:1級の資格者が会社に欠かせない理由
1級造園の価値を理解するうえで欠かせないのが、造園工事業が建設業法の「指定建設業」に入っているという点です。これは、資格を持つ本人だけでなく、勤める会社の許可や受注にも直結する話です。
2-1. 指定建設業の7業種と造園
指定建設業とは、施工技術の総合性などを考えて政令で定められた7つの業種のことで、土木一式・建築一式・電気・管・鋼構造物・舗装・造園が該当します。施工管理技士の7種目のうち、電気通信工事と建設機械に対応する業種は指定建設業に入っていませんが、造園は入っています。
指定建設業では、技術者に求められる資格の水準が高く設定されています。造園が専門性の高い分野であり、公共の公園や緑地のように大きな規模の工事が多いことも背景にあると考えられます。
2-2. 特定建設業の許可には1級の資格者などが必要
元請として大きな工事を受け、下請に多くの工事を出す会社は「特定建設業」の許可が必要です。指定建設業である造園工事業で特定建設業の許可を取るには、営業所ごとの特定営業所技術者や、現場の監理技術者に、1級造園施工管理技士などの1級資格者(または国土交通大臣の特別認定者)を置かなければなりません。
ここで大事なのは、指定建設業では実務経験だけでは監理技術者になれないという点です。どれだけ長く造園の現場を経験していても、1級の資格がなければ、元請として大きな造園工事を受けたときの監理技術者にはなれません。造園の会社が1級の資格者を大切にする理由はここにあります。
2-3. 経営事項審査でも1級は高く評価される
公共工事の入札に参加する会社は、経営事項審査(経審)を受けます。経審の技術職員の評価では、施工管理技士の級によって点数が異なり、1級の資格者は会社の評点を押し上げる存在です。
| 技術職員の資格 | 経審の技術職員の評価 |
|---|---|
| 1級造園施工管理技士(監理技術者資格者証を持ち、監理技術者講習を受けている) | 6点 |
| 1級造園施工管理技士 | 5点 |
| 2級造園施工管理技士 | 2点 |
公園や緑地、街路樹の工事は、国や自治体が発注する公共工事として行われることが多い分野です。そのため、公共工事を受ける造園の会社にとって、1級の技術者を何人抱えているかは、入札で受けられる工事の幅に関わる問題になります。
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3. 1級と2級の違い:造園の場合

造園施工管理技士の1級と2級は、どちらも国家資格ですが、担える立場と会社にとっての重みが大きく違います。ここでは、造園に絞って違いを整理します。
3-1. 担える立場と工事の規模の違い
いちばん大きな違いは、監理技術者になれるかどうかです。2級では主任技術者までで、元請として大きな造園工事を受けたときの監理技術者は1級の資格者でなければ担えません。
| 比べる点 | 1級造園施工管理技士 | 2級造園施工管理技士 |
|---|---|---|
| 現場での立場 | 監理技術者・主任技術者 | 主任技術者 |
| 元請で下請代金の総額が5,000万円以上の工事(2025年2月以降) | 監理技術者として担える | 担えない |
| 特定建設業の営業所の技術者(造園) | なれる | なれない |
| 一般建設業の営業所の技術者(造園) | なれる | なれる |
| 経審の技術職員の評価 | 5点(資格者証+講習で6点) | 2点 |
| 第一次検定の合格で得られる称号 | 1級技士補(監理技術者補佐になれる) | 2級技士補 |
1級を持つと、大規模な公園の整備や、広い範囲の緑地をつくる工事など、元請の立場で全体をまとめる仕事を任される機会が増えます。発注者や設計者との協議、多くの協力会社の調整など、マネジメントの比重が高くなるのも1級の仕事の特徴です。
3-2. 造園は2級にも種別がない
建築や土木の2級には「種別」があり、建築なら建築・躯体・仕上げ、土木なら土木・鋼構造物塗装・薬液注入に分かれています。造園には種別がなく、2級も1級も「造園」の1つだけです。
そのため、造園では2級を取ったあとに種別を選び直す必要はなく、2級から1級へ一直線に進むキャリアを描きやすいといえます。2級でできること、2級から1級へのステップは、2級の記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい2級造園施工管理技士とは?受験資格・難易度・活かせる職場と1級へのステップ2級造園施工管理技士は、造園工事の主任技術者になれる国家資格です。造園会社や植木・外構の仕事から施工管理へ進む…
4. 1級造園施工管理技術検定の試験の概要
1級造園施工管理技士になるには、1級造園施工管理技術検定の第一次検定と第二次検定の両方に合格する必要があります。ここでは、試験の仕組みと出題の傾向を紹介します。日程・合格率・合格基準などの数字は年度によって変わるため、最新の情報は実施機関の公式サイトで確認してください。
4-1. 実施機関と試験の流れ
1級造園施工管理技術検定を実施しているのは、一般財団法人全国建設研修センターです。同じ機関が土木と管工事の検定も実施しています。
試験は第一次検定と第二次検定の2段階です。第一次検定に合格すると「1級技士補」の称号が得られ、そのあと受検資格を満たして第二次検定に合格すると、1級造園施工管理技士になれます。申し込みの方法や必要書類は、毎年公表される受検の手引きで確認しましょう。
4-2. 第一次検定は造園の知識から法規まで幅広い
第一次検定は、施工管理を行うための知識を広く問う試験です。造園そのものの知識(植物の性質、土壌、造園の施工方法など)に加えて、関連する土木・建築・設備の基礎、施工管理法、建設業法などの法規まで、出題の範囲は幅広くなっています。1級では、知識を現場でどう使うかを問う「応用能力」の問題もあります。
造園の現場で長く働いてきた方でも、植栽や庭づくり以外の分野、たとえば土工や排水、構造物、関係法令などは、普段の仕事で触れる機会が少ないこともあります。出題範囲の詳細は、受検の手引きや公式サイトで確認してください。
4-3. 第二次検定は記述式で、施工の経験が問われる
第二次検定は記述式で、施工管理を行う実力があるかどうかが問われます。中心になるのが、自分が経験した造園工事について、工事の概要や、工程・品質・安全などの課題とその対応を文章で書く「経験記述」です。
経験記述では、どんな工事で、どの立場で、何を考えてどう対応したかを、具体的に説明する力が必要です。造園の場合、樹木の活着(根付くこと)を確保するための工夫や、植栽の時期と工程の調整、公園利用者や周辺の安全への配慮など、造園ならではの題材を自分の言葉で書けるかがポイントになります。
5. 1級造園の受検資格(2024年度から見直し)

2024年度(令和6年度)から、施工管理技術検定の受検資格は学歴を問わない仕組みに変わりました。1級造園もこの新しい受検資格で受検します。細かな条件は年度ごとの受検の手引きで確認が必要ですが、ここでは大きな流れを押さえておきましょう。
5-1. 第一次検定は19歳以上なら受検できる
新しい受検資格では、1級の第一次検定は、受検する年度の末日時点で19歳以上であれば、学歴や実務経験にかかわらず受検できます。以前は第一次検定の段階から一定の実務経験が必要だったため、大きな変化です。
造園の会社に入って間もない方や、土木・建築の施工管理をしていて造園も担いたい方でも、まず第一次検定に挑戦できるようになりました。早い段階で知識を体系的に身につけておくと、そのあとの現場経験の意味も理解しやすくなります。
5-2. 第二次検定は第一次検定合格後の実務経験が必要
第二次検定を受けるには、第一次検定に合格したあとに、一定の実務経験を積む必要があります。主なパターンは次のとおりです。
| 第二次検定を受けるための主な条件 | 必要な実務経験 |
|---|---|
| 1級第一次検定の合格後に実務経験を積む | 5年以上 |
| 1級第一次検定の合格後、特定実務経験を含めて実務経験を積む | 3年以上(特定実務経験1年以上を含む) |
| 1級第一次検定の合格後、監理技術者補佐として経験を積む | 1年以上 |
このほかにも条件のパターンがあります。どの経験が実務経験として認められるか、特定実務経験に当たる工事の要件などの細部は、公式の受検の手引きで確認してください。
造園の場合、植栽や芝張りだけでなく、公園の園路や広場の整備、緑化工事の施工管理など、造園工事として行った施工管理の経験が実務経験の中心になります。作業員として現場に入っていた期間と、施工管理として工事を管理していた期間は扱いが異なることがあるため、自分の経歴を整理するときは、どの工事でどの立場だったかを分けて書き出しておくと確認しやすくなります。
5-3. 旧受検資格でも受検できる経過措置は2028年度まで
受検資格の見直しにあわせて、2028年度(令和10年度)までは、旧受検資格でも第二次検定を受検できる経過措置が設けられています。学歴と実務経験の年数で受検資格が決まっていた以前の仕組みで条件を満たしている方は、どちらの受検資格で受けるほうが早いかを比べてみるとよいでしょう。
経過措置は期限があるため、旧受検資格で受けるつもりの方は、早めに計画を立てておくことをおすすめします。
5-4. 1級技士補になると監理技術者補佐として現場に立てる
1級の第一次検定に合格すると「1級技士補」になれます(2021年度からの制度)。1級技士補は、監理技術者を補佐する「監理技術者補佐」として現場に配置できます。監理技術者補佐を置いた現場では、監理技術者が2つの現場を兼務できる(特例監理技術者)ため、会社にとっても1級技士補は戦力になります。
監理技術者補佐としての経験は、上の表のとおり第二次検定の受検資格にもつながります。第一次検定に早めに合格し、技士補として大きな造園工事に関わりながら第二次検定を目指す、という進め方も考えられます。
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6. 難易度と勉強の進め方
1級造園の難易度は、合格率の数字だけでは測れません。合格率は年度によって変わるため、ここでは数字ではなく、どこでつまずきやすいかと、勉強の進め方を紹介します。施工管理技士の種目ごとの難しさの違いは、施工管理技士の難易度を比較した記事も参考にしてください。
6-1. 造園の専門家ほど、周辺分野でつまずきやすい
造園の現場経験が長い方は、植物や庭づくりに関する問題では強みを発揮できます。一方で、つまずきやすいのが、土木・建築・設備といった周辺分野と、法規の問題です。普段の仕事で触れない分野は、用語から覚える必要があります。
反対に、土木や建築の施工管理から造園の1級を目指す方は、樹木の性質や植栽の方法、土壌改良など、造園に固有の知識がハードルになりやすいでしょう。自分のこれまでの経験と出題範囲を見比べて、手薄な分野から計画的に埋めていくことが大切です。
6-2. 第一次検定は過去問で出題の幅をつかむ
第一次検定は範囲が広いため、最初に過去の問題を解いて、どの分野からどのような形で出題されるかをつかむのが効率的です。一般に、過去問を繰り返し解き、間違えた問題の解説を読んで知識を補う方法がとられています。
施工管理法の応用能力の問題は、知識を暗記しているだけでは解きにくいことがあります。工程表の読み方や品質管理の考え方など、現場の場面を思い浮かべながら理解を深めると、得点につながりやすくなります。
6-3. 経験記述は担当した工事の記録から組み立てる
第二次検定の経験記述は、試験の直前に考え始めると苦労しがちです。担当した工事の名称、場所、工期、自分の立場、工事の内容を整理し、工程・品質・安全などの観点で「どんな課題があり、どう対応したか」を書き出しておきましょう。
造園の工事では、植栽の時期の制約、樹木の運搬や仮植え、公園を使う人の安全確保、既存の樹木の保護など、題材になりやすい場面が多くあります。日ごろから工事の記録や写真を残しておくと、経験記述の準備がぐっと楽になります。
7. 当サイトの求人データで見る1級造園施工管理技士
ここからは、2026年10月時点でヨロズワークスに掲載している施工管理の求人(1,426件)の求人票の記載を集計した結果を紹介します。当サイトに掲載している求人の集計であり、業界全体の数字ではない点にご注意ください。
7-1. 「必須」の求人は0件、記載がある求人は1件
先に結果をお伝えすると、当サイトの掲載求人のうち、応募資格の「必須」に1級造園施工管理技士を挙げた求人は0件でした。求人票のどこかに1級造園施工管理技士の記載がある求人も、1件だけです。比較のために、1級土木施工管理技士の数字とあわせて示します。
| 集計の区分 | 求人の件数 | 想定年収(下限の中央値〜上限の中央値) |
|---|---|---|
| 当サイトの施工管理求人 全体 | 1,426件 | 400万〜700万円 |
| 応募資格(必須)に1級土木施工管理技士がある | 55件 | 500万〜800万円 |
| 応募資格(必須)に1級造園施工管理技士がある | 0件 | ― |
| 求人票のどこかに1級造園施工管理技士の記載がある | 1件 | 1件のため目安にならない |
記載があった1件は、建設(ゼネコン)・土木の会社による静岡県の土木施工管理の求人で、職種未経験も応募でき、休日は土日の求人でした。想定年収は290万〜496万円と書かれていましたが、1件だけの数字なので、1級造園の年収の目安として読むことはできません。また、1級造園を応募の条件とする求人ではなく、資格の一つとして記載がある求人です。
7-2. 数字の読み方:造園の仕事がないという意味ではない
この結果は、当サイトの掲載求人が、建築施工管理(589件)や土木施工管理(291件)、電気・空調の設備施工管理などを中心にしていることを反映していると考えられます。造園の施工管理の仕事そのものが少ないという意味ではありません。造園工事を専門にする会社の求人が、そもそも当サイトに多く載っていない、という面もあるでしょう。
また、記載があった1件が「土木施工管理」の求人だったように、造園の仕事は土木の求人の中に含まれていることがあります。公園や緑地、道路の植栽などの工事は、土木の会社が受けることも多く、求人票の職種名が「造園」になっているとは限りません。応募資格に造園の資格が書かれていなくても、面接で造園の資格と経験を評価してもらえる会社もあります。
7-3. 造園の経験を活かせる求人の探し方
当サイトには造園に絞った職種の一覧はないため、造園の経験と1級を活かしたい方は、次のような探し方をおすすめします。
- 施工管理の求人を探すから、土木施工管理を中心に、仕事内容に公園・緑地・植栽・緑化・外構などの言葉がある求人を探す
- 応募資格の「必須」だけでなく、「歓迎」や「資格手当」の欄に造園の資格があるかを見る
- 公共工事を多く受けている会社かどうかを確認する(造園の1級が経審や監理技術者の配置で活きやすい)
- 求人票だけで判断がつかないときは、造園の資格と経験をアドバイザーに伝え、会社の受注内容を確かめてもらう
面接では、1級を持っていることに加えて、どんな規模の造園工事で、どの立場を担ってきたかを具体的に伝えると評価されやすくなります。たとえば「公園の整備工事で現場代理人を務めた」「街路樹の植栽工事で工程と安全の管理を担当した」のように、工事の種類と自分の役割をセットで話せるよう準備しておきましょう。公共工事の書類作成や、発注者との協議の経験も、造園以外の施工管理で通用する強みです。
年収の水準は、資格だけでなく、会社の規模や担う工事、役職、地域によって変わります。施工管理の年収が決まる仕組みは、施工管理の年収を上げる方法をまとめた記事で解説しています。
8. 1級造園施工管理技士が活きる職場とキャリア
求人票の件数が少なくても、1級造園が強く求められる職場ははっきりしています。ここでは、資格が活きる主な職場と、土木の施工管理と組み合わせたキャリアの考え方を紹介します。
8-1. 公共の公園・緑地工事を元請として受ける会社
1級造園がもっとも活きるのは、国や自治体が発注する公園の整備や緑地の造成、街路樹の植栽などを元請として受ける会社です。こうした会社では、特定建設業の許可を維持するための特定営業所技術者や、大きな工事の監理技術者として、1級の資格者が欠かせません。
経審の評価にも関わるため、会社にとって1級の技術者は「いないと受けられない工事がある」存在です。公園や緑地は、つくったあとの樹木の手入れや施設の改修などの工事が継続して発注されることもあり、整備から維持までを通して同じ地域の工事に関われるのも、この分野の特徴です。発注者との協議や書類の作成、協力会社の調整など、元請としてのマネジメントを担える人は、社内でも中心的な役割を任されやすいでしょう。
8-2. 土木会社の緑化・植栽部門や、道路・河川の工事
道路の整備にともなう街路樹や中央分離帯の植栽、河川の護岸の緑化、造成地ののり面の緑化など、土木工事と造園工事が組み合わさる現場は少なくありません。土木の会社が造園工事業の許可も持ち、緑化や植栽を自社で管理しているケースもあります。
こうした会社では、土木の施工管理の中で造園の知識を持つ人が重宝されます。公園の整備のように、造成・排水・園路などの土木の要素と、植栽などの造園の要素が一つの工事に含まれる場合、両方がわかる施工管理は工事全体を見渡しやすくなります。
8-3. 1級土木と組み合わせて担える工事を広げる
造園の資格を活かしながら転職の選択肢を広げたい方には、土木施工管理技士との組み合わせが考えられます。当サイトでは、1級土木施工管理技士を「必須」とする求人が55件、記載がある求人が108件あり、造園とは件数の規模が大きく異なります。
| 比べる点 | 1級造園だけを持つ場合 | 1級造園と1級土木の両方を持つ場合 |
|---|---|---|
| 監理技術者になれる主な業種 | 造園 | 造園に加えて土木一式・舗装・しゅんせつ・水道施設 など |
| 担える工事のイメージ | 公園・緑地・植栽・緑化などの造園工事 | 造成・道路・河川などの土木工事と、その緑化や公園整備 |
| 当サイトの求人での見え方 | 必須0件・記載1件 | 1級土木の必須55件・記載108件の求人も選択肢になる |
| 合う職場の例 | 造園工事を元請で受ける会社 | 土木と造園の両方を受ける会社、公共工事の多い総合的な建設会社 |
監理技術者になれる業種の詳しい一覧は、国土交通省の資料で確認してください。1級造園で培った工程・品質・安全の管理や公共工事の書類作成の経験は、土木の施工管理でもそのまま活かせます。どちらの資格を先に取るかは、今の仕事でどちらの工事を多く担っているか、将来どちらの会社で働きたいかで考えるとよいでしょう。建築と土木の仕事の違いは、関連記事で解説しています。
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9. 1級造園施工管理技士についてよくある質問
Q. 1級造園施工管理技士があれば、造園工事の監理技術者になれますか?
はい、なれます。監理技術者として現場に配置されるには、監理技術者資格者証の交付を受け、監理技術者講習を受ける必要があります。手続きの詳細は、一般財団法人建設業技術者センターなどの案内で確認してください。
Q. 2級を持っていなくても、1級造園を受検できますか?
2024年度からの新しい受検資格では、1級の第一次検定は、受検する年度の末日時点で19歳以上であれば受検できます。2級を持っていることは条件ではありません。第二次検定は、第一次検定に合格したあとの実務経験が必要になるので、受検の手引きで条件を確認しましょう。
Q. 造園の実務経験が長ければ、資格がなくても監理技術者になれますか?
造園は指定建設業のため、実務経験だけでは監理技術者になれません。元請として下請代金の総額が5,000万円以上(2025年2月以降)となる造園工事で監理技術者を置くには、1級造園施工管理技士などの1級資格者(または国土交通大臣の特別認定者)が必要です。ここが、造園の会社が1級の資格者を求める大きな理由です。
Q. 当サイトに1級造園が必須の求人がないのに、取る意味はありますか?
当サイトの集計では必須の求人は0件ですが、これは当サイトの掲載求人の傾向であり、業界全体の数字ではありません。造園工事を元請で受ける会社では、特定建設業の許可や経審の評価に1級の資格者が関わるため、資格の価値は求人票の件数だけでは測れません。土木の求人の中にも、造園の資格と経験を評価する会社があります。
Q. 1級造園と1級土木、どちらを先に取るべきですか?
今の仕事で担っている工事に合わせるのが基本です。造園工事を中心に担っているなら1級造園から、土木工事の中で緑化や植栽にも関わっているなら1級土木から考えるのが自然でしょう。どちらも第一次検定は19歳以上で受検できるため、将来の働き方を考えて計画を立てることをおすすめします。
Q. 造園技能士と1級造園施工管理技士は何が違いますか?
造園技能士は、造園の作業の技能を評価する技能検定の資格です。一方、1級造園施工管理技士は、工事全体の工程・品質・安全などを管理する立場の資格で、監理技術者や主任技術者になれます。作業の腕を証明するのか、工事を管理する力を証明するのかという点で役割が異なります。
10. まとめ:1級造園は「求人の数」より「受ける工事」で価値が決まる資格
1級造園施工管理技士は、造園工事の監理技術者・主任技術者になれる国家資格です。造園は指定建設業に入っているため、特定建設業の許可や大きな工事の監理技術者には1級の資格者などが必要で、実務経験だけでは代わりがききません。経審でも1級は高く評価され、公共の公園や緑地の工事を受ける会社にとって欠かせない存在です。
一方で、当サイトの掲載求人では、1級造園を必須とする求人は0件、記載がある求人も1件にとどまります。造園の経験と資格を活かしたい方は、土木施工管理の求人の中から公園・緑地・植栽などの工事を扱う会社を探す、1級土木と組み合わせて選択肢を広げる、といった視点を持つと、自分に合った職場が見つけやすくなります。2級からのステップは「2級造園施工管理技士の記事」でも紹介しています。
ヨロズワークスでは、施工管理に特化したキャリアアドバイザーが、求人票だけではわかりにくい会社の受注内容もふまえて求人をご紹介しています。造園の経験を活かせる会社を探したい方は、無料で転職相談をするからお気軽にご相談ください。まずは施工管理の求人を探すや、関連する土木施工管理の求人から、公園・緑地や植栽の工事を扱う求人を見てみるのもおすすめです。