施工管理の残業時間はどれくらい?2024年問題で変わったことと残業が少ない会社の選び方
施工管理の残業時間がどれくらいなのか、転職を考えるうえで気になっている方は多いのではないでしょうか。「施工管理は残業が多い」という話をよく耳にする一方で、2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、働き方は少しずつ変わってきています。
こんなお悩みはありませんか?
施工管理に興味はあるけど、毎日夜遅くまで残業が続くのかと思うと踏み出せない…
今の現場は書類仕事が夜までかかる。残業が少ない施工管理の会社って本当にあるの?
2024年から残業に上限ができたと聞いたけど、現場は実際どう変わったんだろう?
施工管理の残業時間は、会社や現場の体制によって大きく変わります。この記事では、残業が多くなる理由と上限規制の中身、求人票や面接で残業が少ない会社を見分ける方法までまとめて解説します。
この記事では、施工管理の残業が多くなりやすい理由を工期・書類・天候・職人さんの作業時間といった現場の事情から整理し、2024年4月から始まった上限規制の内容と現場の変化を解説します。そのうえで、職種や会社のタイプによる違いを当サイトの求人データで確認し、残業が少ない会社の見分け方、今の職場でできる残業の減らし方、面接での確認方法まで紹介します。結論から言うと、残業時間は「施工管理だから多い」と一括りにはできず、会社選びと働き方の工夫で変えられる部分が大きい、というのがこの記事のいちばんの答えです。
この記事のポイント
- 業界全体の平均残業時間は調査によって異なる。数字より会社・現場ごとの差に目を向ける
- 2024年4月から建設業も上限規制の対象。時間外労働は原則月45時間・年360時間まで
- 当サイトの施工管理求人の約42%に「固定残業」の記載。時間数と超過分の扱いを確認
- 年間休日125日以上の求人は約25%。休日・体制・夜間作業の有無とあわせて比べる
- 面接では残業の「時間」と「減らすための仕組み」をセットで聞くとギャップを防げる
あわせて読みたい施工管理は本当にきつい?きついと言われる理由と働きやすい会社の選び方「施工管理はきつい」と言われる理由を、労働時間・休日・人間関係・転勤などの観点から整理し、2024年の働き方改革…
1. 施工管理の残業時間はどれくらい?まず知っておきたい前提
施工管理の残業時間を調べると、さまざまな数字が出てきます。ただ、その数字をそのまま「自分が働いたときの残業時間」と考えるのは少し危険です。まずは、残業時間の数字を見るときの前提を整理しておきましょう。
1-1. 業界全体の「平均残業時間」は調査によって異なる
施工管理の平均残業時間は、調べる機関や調査の方法、対象とする職種の範囲によって結果が異なります。建設業全体を対象にした統計なのか、施工管理職だけを対象にしたアンケートなのか、正社員だけなのかによって、数字は大きく変わるからです。
この記事では、特定の平均値を「施工管理の残業時間はこれくらい」と示すことはしません。業界全体の傾向を知りたい場合は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」など、公的な統計で建設業の労働時間を確認するのがおすすめです。公的な統計は調査方法が公開されているので、どんな人を対象にした数字なのかを確かめながら読むことができます。
なお、建設業全体の統計には、施工管理だけでなく現場で作業する職人さんや事務職なども含まれます。施工管理職の働き方とそのまま重なるわけではないため、あくまで業界全体の傾向をつかむための参考と考えておきましょう。
1-2. 同じ施工管理でも残業時間は会社・現場で大きく違う
平均値よりも大事なのは、同じ施工管理でも会社や現場によって残業時間に大きな差があるという点です。たとえば、一人で複数の現場を掛け持ちしている会社と、一つの現場を複数人のチームで担当している会社とでは、一人あたりの仕事量がまったく違います。
また、書類作成を専門の事務スタッフが手伝ってくれる会社、ITツールで写真整理や日報を効率化している会社では、施工管理が夜に事務所で書類と向き合う時間を減らせます。反対に、こうした仕組みがない会社では、昼間は現場、夜は書類という働き方になりやすいのが実情です。
つまり、「施工管理は残業が多いか」という問いへの答えは、「多くなりやすい要因はあるが、会社と現場の体制しだいで変わる」です。転職を考えるなら、業界の平均よりも、応募する会社の実態を確かめることに時間を使ったほうが役に立ちます。
1-3. 工事の段階によって忙しさに波がある
施工管理の残業時間は、一年を通して一定ではありません。工事には段階があり、時期によって忙しさが変わります。特に、工事が始まる前の準備期間と、建物を引き渡す前の時期は、仕事が集中しやすい傾向があります。
| 工事の段階 | 主な仕事 | 忙しさの傾向 |
|---|---|---|
| 着工前 | 施工計画書の作成、工程表づくり、協力会社や資材の手配 | 書類と段取りが集中し、事務作業が増えやすい |
| 工事の序盤 | 基礎・躯体工事の管理、安全設備の確認 | 天候の影響を受けやすく、工程の組み直しが起こりやすい |
| 工事の中盤 | 設備・内装など多くの業種の調整、品質の確認 | 関わる職種が増え、打ち合わせや調整が多くなる |
| 竣工前 | 検査への対応、手直し、竣工書類の作成 | 引き渡し日が決まっているため、最も忙しくなりやすい |
| 竣工後 | 引き渡し、書類の整理、次の現場の準備 | 比較的落ち着き、休みを取りやすいことが多い |
面接や会社説明で「残業はどれくらいですか」と聞くときも、平均だけでなく「忙しい時期はどれくらいか」「落ち着いた時期はどうか」を分けて聞くと、実態をつかみやすくなります。
2. 施工管理の残業が多くなりやすい理由

施工管理の残業が多くなりやすいのには、仕事の性質上の理由があります。ここでは、現場でよく見られる要因を順に見ていきます。理由がわかると、どんな会社なら残業を減らせるのかも見えてきます。
2-1. 工期が決まっていて、遅れを取り戻す必要がある
建設工事には、契約で決められた工期(完成・引き渡しの期限)があります。施工管理は、その期限に間に合うように工程を管理するのが仕事です。どこかで工程が遅れると、その遅れを残りの期間で取り戻さなければならず、残業や休日出勤につながりやすくなります。
特に、もともとの工期に余裕がない工事では、少しの遅れが大きな負担になります。発注者の都合で設計変更が入ったり、資材の納品が遅れたりと、施工管理だけではコントロールできない要因で工程が押されることも少なくありません。
最近は、無理のない工期を設定しようという考え方が業界全体で重視されるようになってきました。とはいえ、工期の決まり方は発注者や工事の種類によって異なるため、会社がどんな工事を中心に受けているかは、残業時間を考えるうえで大事な手がかりになります。
2-2. 書類や写真の整理は、現場が終わってから始まる
施工管理の仕事には、施工計画書、工程表、安全書類、品質管理の記録、工事写真の整理、日報など、多くの書類作成が含まれます。昼間は現場での確認や立ち会い、職人さんへの指示で手が離せないため、書類に向き合えるのは現場作業が終わってから、というケースがよくあります。
公共工事では提出する書類の種類が多く、写真の整理や台帳づくりにも時間がかかります。書類仕事そのものが悪いわけではありませんが、「昼は現場、夜は書類」という一日の流れが、残業時間を押し上げる大きな要因になっています。
そのため、書類作成を手伝う事務スタッフがいるか、写真管理や書類作成のツールが導入されているかは、残業の少なさに直結しやすいポイントです。
2-3. 天候に左右され、工程の組み直しが起こる
屋外で行う工事は、雨や雪、強風、猛暑などの天候に大きく左右されます。たとえば、雨でコンクリートの打設ができない日が続けば、その後の工程をすべて組み直す必要があります。予定していた作業ができなかった分、別の日に作業が集中し、施工管理の仕事も増えます。
天候による中止の判断や、協力会社への連絡、工程表の修正なども施工管理の役割です。こうした調整は前日の夕方や当日の早朝に行うことも多く、勤務時間が前後に延びる原因になります。土木工事や建築の躯体工事など、屋外作業が多い工事ほど影響を受けやすい傾向があります。
2-4. 職人さんの作業時間に合わせて動く必要がある
施工管理は、現場で作業する職人さんの動きに合わせて一日の仕事を組み立てます。現場の朝は早く、朝礼や危険予知活動の前に現場に入り、その日の作業の段取りや安全の確認をしておく必要があります。
日中は職人さんの作業を見守り、指示や確認、写真撮影に追われます。そして作業が終わったあとに、片付けや戸締まりの確認、翌日の準備をしてから事務作業に入ることになります。職人さんの作業時間の「前」と「後」に施工管理の仕事があるため、どうしても拘束時間が長くなりやすいのです。
また、商業施設の改修工事や道路工事など、営業時間外や交通量の少ない時間帯に作業する現場では、夜間作業が発生することもあります。夜間作業があるかどうかは、働き方に大きく影響するので、求人票や面接で確認しておきたいポイントです。
2-5. 打ち合わせ・トラブル対応と人手不足
施工管理は、発注者、設計者、協力会社、近隣の方など多くの人と関わります。定例の打ち合わせに加えて、設計変更の相談、近隣からの問い合わせ、資材の不具合への対応など、予定外の仕事が入ることも少なくありません。突発的な対応が入ると、その分、本来の仕事が後ろにずれていきます。
さらに、建設業界では人手不足が続いており、一人あたりの担当範囲が広くなっている会社もあります。一人で複数の現場を受け持つ、若手の育成と自分の担当現場を同時にこなすといった状況では、どうしても仕事量が増えてしまいます。
逆に言えば、人員に余裕があり、チームで現場を担当している会社では、こうした負担を分け合うことができます。残業の多い・少ないは、個人の能力よりも会社の体制に左右される部分が大きいと考えておくとよいでしょう。
施工管理の仕事内容や一日の流れを基本から知りたい方は、次の記事もあわせてご覧ください。
あわせて読みたい施工管理とは?仕事内容・4大管理・1日の流れ・資格・年収までわかりやすく解説施工管理とは、建設工事を計画どおり・安全に完成させるために、工程・品質・原価・安全の「4大管理」を行う仕事です…
3. 2024年4月からの時間外労働の上限規制とは(2024年問題)

施工管理の残業時間を考えるうえで欠かせないのが、2024年4月から建設業にも適用された時間外労働の上限規制です。いわゆる「2024年問題」と呼ばれるものの中心にある制度で、施工管理の働き方を変えるきっかけになっています。
3-1. 上限規制の中身(原則と特別条項)
働き方改革関連法により、時間外労働(残業)には法律で上限が設けられました。一般の業種では先に適用されていましたが、建設業は長時間労働の是正に時間がかかることから適用が猶予され、2024年4月から建設業にも適用されています。上限の中身は次のとおりです。
| 項目 | 上限の内容 |
|---|---|
| 原則の上限 | 時間外労働は月45時間・年360時間まで |
| 臨時的な特別の事情がある場合(特別条項) | 時間外労働は年720時間以内 |
| 1か月の上限 | 時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満 |
| 複数月の平均 | 時間外労働と休日労働の合計が、2〜6か月のどの平均でも80時間以内 |
| 月45時間を超えられる回数 | 年6回まで |
会社が社員に時間外労働をさせるには、労働者の代表などと「36協定(さぶろくきょうてい)」と呼ばれる労使協定を結び、労働基準監督署に届け出る必要があります。上限規制は、この36協定で定められる時間の上限を法律で決めたもので、違反した場合は罰則の対象になります。
ポイントは、原則はあくまで「月45時間・年360時間」で、特別条項はその名のとおり臨時的な事情がある場合の例外だということです。特別条項を使う場合でも、月45時間を超えられるのは年6回までと決まっているため、一年中ずっと長時間の残業を続けることはできない仕組みになっています。
3-2. 「2024年問題」と呼ばれる理由
上限規制の適用によって、建設業では、これまでと同じ人数・同じ工期のままでは工事を回しきれなくなるのではないか、という課題が指摘されてきました。人手不足のなかで残業時間に上限ができるため、工期の見直しや人員の確保、業務の効率化が必要になります。こうした一連の課題を「2024年問題」と呼んでいます。
働く側から見れば、2024年問題は「残業時間に法律の歯止めがかかった」という前向きな変化でもあります。一方で、会社にとっては仕組みを変えなければ対応できない問題なので、取り組みの早さや本気度には会社ごとの差が出ています。
3-3. 上限規制は「残業ゼロ」のルールではない
上限規制について、誤解しやすい点を整理しておきます。まず、上限規制は残業をなくすルールではなく、「これ以上は働かせてはいけない」という上限を決めたものです。上限の範囲内であれば、忙しい時期に残業が発生すること自体は想定されています。
また、災害の復旧・復興の事業については一部例外があり、時間外労働と休日労働の合計についての「月100時間未満」「2〜6か月平均80時間以内」の規制は適用されません。災害時には地域の復旧を急ぐ必要があるためです。
上限規制の詳しい内容や最新の情報は、厚生労働省のホームページや、各地の労働基準監督署で確認できます。自分の働き方が上限に収まっているかどうか不安な場合は、まず勤怠の記録を確認してみるところから始めましょう。
4. 上限規制で施工管理の現場はどう変わった?
上限規制の適用をきっかけに、多くの建設会社が働き方の見直しに取り組んでいます。ここでは、施工管理の現場でよく見られる変化を紹介します。ただし、変化の度合いは会社によって異なるため、「どの会社も同じように変わった」とは言えない点に注意が必要です。
4-1. 勤怠管理が厳しくなり、残業の「見える化」が進んだ
上限を守るためには、まず社員一人ひとりの労働時間を正確に把握しなければなりません。そのため、パソコンやスマートフォンで出退勤を記録する仕組みを取り入れたり、残業が一定の時間を超えそうな社員に上司からアラートを出したりする会社が増えています。
残業が見える化されると、特定の人に仕事が集中している状況にも気づきやすくなります。上司が担当を割り振り直したり、応援の人員を手配したりと、残業を減らすための手を打ちやすくなるのも利点です。
4-2. 週休2日や土曜閉所の取り組みが広がった
建設現場は、以前から土曜日も稼働していることが多い業界でした。しかし近年は、公共工事を中心に週休2日の確保を目指す取り組みが進み、民間工事でも土曜日に現場を閉める「土曜閉所」に取り組む会社が出てきています。
休日が増えると、その分の仕事を平日にこなす必要があるため、工程の組み方や段取りの工夫が欠かせません。週休2日を実現している会社は、工程管理や人員配置の仕組みが整っていることが多く、残業の少なさを見るうえでも一つの目安になります。
4-3. ITツールの活用や事務作業の分業が進んだ
書類や写真の整理にかかる時間を減らすために、ITツールを取り入れる会社も増えています。たとえば、タブレットで図面を確認したり、工事写真をクラウドで共有・整理したり、遠隔で現場の状況を確認したりする方法です。
また、書類作成や写真整理を施工管理から切り離し、事務の専門スタッフや本社の支援部門が担当する会社もあります。施工管理が現場の管理に集中できるようになると、夜に事務所で書類を作る時間が減り、残業の削減につながります。
4-4. 変化には会社ごとの差がある
ここまで紹介した変化は、すべての会社で同じように進んでいるわけではありません。勤怠の記録上は残業が減っていても、実際には仕事を持ち帰っていたり、記録に残らない形で働いていたりするケースが問題になることもあります。
大切なのは、「上限規制が始まったから、どの会社も残業が少ない」と考えないことです。残業を減らすために、会社が具体的に何をしているのか。工期の設定、人員配置、ITツール、事務の分業など、仕組みの面から確かめることが、入社後のギャップを防ぐいちばんの方法です。
働きやすい会社の特徴や、いわゆるホワイト企業の見分け方については、次の記事で詳しく解説しています。
あわせて読みたい施工管理のホワイト企業の見分け方とは?ブラックな職場のサインとチェックリスト施工管理のホワイト企業は、休日・残業・担当現場数・人員体制・ICT活用・評価制度の6つで見分けられます。ヨロズワ…
5. 職種・会社のタイプで残業時間の傾向は変わる
施工管理と一口に言っても、建築・土木・設備などの職種や、ゼネコン・サブコン・ハウスメーカーなどの会社タイプによって、働き方の傾向は変わります。ここでは、2026年10月時点でヨロズワークスに掲載している施工管理の求人(1,426件)の集計を使って、休日や固定残業代の記載の傾向を見てみます。
なお、求人票に書かれた残業時間は書き方がまちまちで、比べられる形で集計するのが難しいため、ここでは残業と関係の深い「年間休日」「土日休み」「固定残業の記載」で比べています。あくまで当サイトに掲載している求人の傾向であり、業界全体の数字ではない点にご注意ください。
5-1. 建築・土木・設備などの職種による違い
まずは職種別に見てみましょう。掲載している施工管理求人全体では、年間休日の中央値は120日、年間休日125日以上の求人は約25%、土日休み(休日欄が「土日祝休み・土日休み」)の求人は約80%、求人票に「固定残業」の記載がある求人は約42%でした。
| 職種 | 掲載数 | 年間休日(中央値) | 年間休日125日以上 | 土日休み | 「固定残業」の記載 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建築施工管理 | 589件 | 120日 | 約22% | 約77% | 約48% |
| 土木施工管理 | 291件 | 120日 | 約21% | 約86% | 約41% |
| 電気設備施工管理 | 194件 | 121日 | 約42% | 約87% | 約36% |
| 空調設備施工管理 | 130件 | 120日 | 約33% | 約75% | 約31% |
| 内装施工管理 | 74件 | 120日 | 約21% | 約85% | 約51% |
| プラント施工管理 | 66件 | 120日 | 約25% | 100% | 約12% |
| リフォーム施工管理 | 54件 | 116日 | 約4% | 約41% | 約59% |
出典:2026年10月時点でヨロズワークスに掲載している施工管理の求人(1,426件)の集計。年間休日の割合は、年間休日の記載がある求人に占める割合です。
当サイトの掲載求人では、電気設備や空調設備の施工管理で年間休日125日以上の求人の割合が比較的高く、リフォーム施工管理は土日休みの求人が少なめという傾向が見られました。リフォームは個人のお客様の住まいを扱うことが多く、お客様の都合に合わせて土日に打ち合わせや工事が入りやすいことが背景にあると考えられます。
一方で、休日が多いことと残業が少ないことは、同じとは限りません。休日が多い分、平日の仕事が詰まっている会社もあるため、休日の数字は「働き方を考える手がかりの一つ」として見るのがよいでしょう。設備施工管理の仕事内容については、設備施工管理とは?電気・空調・衛生設備の仕事内容と将来性で詳しく紹介しています。
5-2. ゼネコン・サブコン・ハウスメーカーなど会社タイプによる違い
次に、会社の業種別に見てみます。同じ施工管理でも、元請として工事全体をまとめるゼネコンと、設備や電気の工事を担うサブコン、住宅を手がけるハウスメーカーなどでは、働き方の特徴が異なります。
| 会社の業種 | 掲載数 | 年間休日(中央値) | 年間休日125日以上 | 土日休み | 「固定残業」の記載 |
|---|---|---|---|---|---|
| 建設(ゼネコン)・土木 | 588件 | 120日 | 約20% | 約82% | 約46% |
| 設備・電気(サブコン) | 227件 | 120日 | 約38% | 約87% | 約32% |
| プラント・エンジニアリング | 71件 | 121日 | 約33% | 約97% | 約18% |
| ハウスメーカー・住宅設備・建材メーカー | 73件 | 117日 | 約14% | 約55% | 約55% |
| 内装・リフォーム・インテリア | 58件 | 115日 | 約11% | 約59% | 約69% |
| 人材派遣 | 58件 | 123日 | 約47% | 約98% | 約43% |
| 設備管理・メンテナンス | 34件 | 125日 | 約62% | 約85% | 約18% |
出典:2026年10月時点でヨロズワークスに掲載している施工管理の求人(1,426件)の集計。件数が少ない業種は傾向がぶれやすいため、参考程度にご覧ください。
当サイトの掲載求人では、設備管理・メンテナンスや人材派遣、サブコンで年間休日125日以上の求人の割合が高めでした。一方、ハウスメーカーや内装・リフォームの会社は、土日休みの求人の割合が低めです。住宅や店舗の工事は、お客様が休みの日に打ち合わせをすることが多いため、平日に休みを取る働き方になりやすいと考えられます。
ゼネコンは工事全体の工程に責任を持つ立場で、協力会社の調整や書類作成の量が多くなりやすい傾向があります。サブコンは担当する工事の範囲が設備や電気に絞られる一方、ゼネコンの工程に合わせて動く必要があり、竣工前に仕事が集中しやすいといった特徴があります。どちらにも残業が多い会社・少ない会社があるので、会社タイプだけで判断せず、個別に確認することが大切です。
5-3. 新築か改修か、公共か民間かでも変わる
職種や会社タイプのほかに、扱う工事の種類によっても働き方は変わります。たとえば、新築工事は工期が長く、竣工前に忙しさのピークが来るのが一般的です。改修工事は一件あたりの工期が短めで、建物を使いながら工事をする場合は、夜間や休日に作業することもあります。
公共工事は書類の量が多い一方、週休2日の確保など働き方改革の取り組みが先行していることが多いとされます。民間工事は発注者によって工期や条件がさまざまで、会社ごとの差が大きくなりやすい分野です。応募先がどんな工事を中心に受けているかを確認すると、働き方のイメージがつかみやすくなります。
ゼネコンとサブコンの働き方の違いをもっと詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
あわせて読みたいゼネコンとサブコンの違いとは?関係・年収・どっちがきついかを求人データで比較ゼネコンとサブコンの違いを、重層下請構造での関係、仕事内容、立場と求められるスキル、資格、年収、休日などの働…
6. 残業が少ない会社の見分け方(求人票のチェックポイント)

残業が少ない会社を選ぶには、求人票の読み方がとても大切です。求人票には、残業の実態を知るためのヒントがいくつも書かれています。ここでは、当サイトのデータもふまえて、特に確認したいポイントを紹介します。
6-1. 固定残業代(みなし残業)の記載を読む
固定残業代とは、一定時間分の残業代を、実際の残業時間にかかわらず毎月の給与にあらかじめ含めて支払う仕組みです。「みなし残業」と呼ばれることもあります。当サイトに掲載している施工管理求人では、約42%(1,426件中600件)の求人票に「固定残業」の記載がありました。
固定残業代がある求人だからといって、残業が多い会社とは限りません。給与の見せ方の一つとして取り入れている会社もあります。ただし、求人票には固定残業代の時間数と金額、そして決められた時間を超えた分の残業代を別途支払うことを明示する必要があります。次の点を確認しておきましょう。
- 固定残業代が「何時間分」で「いくら」なのかが書かれているか
- 決められた時間を超えた分は、別途支払うと書かれているか
- 固定残業代を除いた基本給がいくらか
- 固定残業の時間数が、実際の平均的な残業時間とかけ離れていないか
固定残業代を含んだ月給だけを見ると、基本給が高く見えることがあります。ほかの求人と比べるときは、固定残業代を除いた基本給と、想定年収の幅をそろえて比べると、条件の違いがわかりやすくなります。
6-2. 年間休日と休日の取り方を確認する
残業時間そのものと並んで、働きやすさに大きく関わるのが休日です。当サイトに掲載している施工管理求人では、年間休日の中央値は120日でした。年間休日の記載がある求人のうち、120日以上は約65%、125日以上は約25%です。
休日の取り方も確認しておきたいポイントです。当サイトの掲載求人の休日欄を見ると、「土日祝休み」が941件、「土日休み」が198件と多数を占める一方で、「週休2日(土日以外)」が174件、シフト制が37件ありました。土日休みと書かれていても、現場の状況によって土曜日に出勤する場合があるかどうかは、面接で確認しておくと安心です。
あわせて、休日出勤をしたときに振替休日や代休が取れるかどうかもチェックしましょう。休日出勤が多いのに代休が取りにくい会社では、年間休日の数字ほど休めていない可能性があります。
6-3. 夜間作業・直行直帰・転勤の記載を見る
求人票の中には、夜間作業の有無を記載しているものもあります。当サイトの掲載求人のうち、夜間作業について「なし」と書かれているのは300件、「状況に応じてある」は173件、「あり」は34件で、残りの多くは記載がありませんでした。夜間作業が多い現場は生活リズムが崩れやすいため、記載がない場合は面接で確認しましょう。
直行直帰ができるかどうかも、拘束時間を左右します。自宅から現場へ直接向かえる会社なら、事務所に立ち寄る時間を省くことができます。当サイトの掲載求人では、直行直帰に触れている求人は213件(約15%)でした。
また、現場が遠方になる場合の転勤や長期出張の有無も、生活全体の負担に関わります。通勤時間は残業時間には含まれませんが、一日の自由な時間を大きく左右するため、勤務地の範囲とあわせて確認しておくとよいでしょう。
6-4. 担当現場数・体制・事務のサポートを確認する
求人票には書かれていないことも多いのが、一人あたりの担当現場数や、現場の体制です。一人で複数の現場を掛け持ちするのか、チームで一つの現場を担当するのかによって、残業時間は大きく変わります。
書類作成を手伝う事務スタッフや、本社の支援部門があるかどうかも重要です。ITツールの導入状況とあわせて、施工管理が現場の管理に集中できる仕組みがあるかを確認しましょう。こうした情報は求人票だけではわからないことが多いので、面接や転職エージェントを通じて確かめるのが現実的です。
求人票の読み方全般については、次の記事でも詳しく解説しています。
あわせて読みたい施工管理の求人の探し方と選び方|求人票のチェックポイントと未経験・経験者別の見方施工管理の求人は数が多い一方で、仕事内容や年収、休日、転勤の有無など条件の幅がとても大きいのが特徴です。求人…
7. 今の職場でできる残業の減らし方
すでに施工管理として働いていて、残業の多さに悩んでいる方もいるでしょう。転職を考える前に、今の職場でできる工夫もあります。もちろん、会社の体制が原因の残業を個人の努力だけで解決するのは難しいですが、できることから試してみる価値はあります。
7-1. 書類・写真整理を少しずつ進め、ツールを使いこなす
書類や写真の整理を一日の終わりにまとめて行うと、どうしても時間が延びてしまいます。現場の合間の短い時間に、撮影した写真をその場でフォルダに分けておく、日報のひな形を先に埋めておくなど、作業を細かく分けて進めると、夜にまとめて片付ける量を減らせます。
よく使う書類は、ひな形やチェックリストを作っておくのも効果的です。毎回ゼロから書類を作るのではなく、過去の書類を下敷きにして必要な部分だけを書き換えるようにすると、作成にかかる時間を短くできます。
会社がITツールを導入しているなら、その機能を十分に使いこなせているかを見直してみましょう。写真管理のアプリや、図面の共有ツール、チャットでの連絡などを活用すると、移動や確認の時間を減らせることがあります。
ツールの使い方がわからないまま、従来どおりの方法で作業している人も意外と多いものです。詳しい先輩に使い方を聞いたり、社内の研修を受けたりするだけでも、作業時間が短くなる場合があります。
7-2. 段取りと前倒しで手戻りを減らす
施工管理の残業の多くは、予定外の対応や手戻りから生まれます。翌週・翌月の工程を早めに確認して、資材の発注や協力会社への連絡を前倒しで済ませておくと、直前になって慌てる場面を減らせます。
職人さんとの打ち合わせで作業内容や注意点を共有しておくことも、手戻りを防ぐうえで大切です。最初の指示があいまいだと、やり直しや確認の手間が増え、結果として残業が増えてしまいます。
7-3. 勤怠を正しくつけ、上司や会社に相談する
残業を減らすためには、まず実際に働いた時間を正しく記録することが大切です。記録に残らない形で働いていると、会社は仕事量の偏りに気づけず、人員の配置や担当の見直しにつながりません。
担当現場が多すぎる、書類の量が多すぎると感じる場合は、上司に相談してみましょう。上限規制が適用された今、会社にとっても残業を減らすことは避けて通れない課題です。それでも改善が見込めない場合や、上限を超える働き方が続いている場合は、勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署などの公的な窓口に相談する方法もあります。
また、資格を取ることで任される仕事の範囲が変わり、働き方を選びやすくなることもあります。施工管理技士の資格については、施工管理技士とは?資格の種類・受検資格・取得するメリットを解説を参考にしてください。
今の職場の働き方がどうしてもつらいと感じている方は、次の記事で、辞めたいと感じたときの考え方や転職先の選び方を紹介しています。
あわせて読みたい施工管理を辞めたい人へ|1年目・向いてないと感じたときの判断基準と転職先施工管理を辞めたいと感じたとき、その理由が「会社を変えれば解決すること」か「仕事そのものが合わないこと」かを…
8. 面接で残業時間を確認する方法
求人票だけでは、残業の実態はなかなかわかりません。面接は、会社が応募者を見極める場であると同時に、応募者が会社を見極める場でもあります。ただし、聞き方によっては「仕事への意欲が低いのでは」と受け取られることもあるため、伝え方を工夫しましょう。
8-1. 失礼にならない聞き方の例
残業について質問するときは、「長く働き続けたいので、働き方を具体的に知りたい」という前向きな理由を添えるのがポイントです。次のような聞き方を参考にしてください。
| 確認したいこと | 質問の例 |
|---|---|
| 平均的な残業時間 | 長く働き続けたいと考えているので、配属予定の部署の皆さんの、平均的な残業時間を教えていただけますか |
| 忙しい時期の働き方 | 竣工前など忙しい時期は、どれくらいの残業や休日出勤がありますか |
| 担当する現場の体制 | 入社後は、何人くらいの体制で、いくつの現場を担当することが多いですか |
| 残業を減らす取り組み | 残業時間を減らすために、会社として取り組まれていることがあれば教えてください |
| 休日の取り方 | 土曜日に現場が動く場合、休日出勤や代休の取り方はどのようになっていますか |
最初の質問から残業のことばかり聞くと印象が偏ってしまうので、仕事内容や教育体制についての質問と組み合わせて聞くのがおすすめです。逆質問の時間を使って、聞きたいことを2〜3個に絞って確認するとよいでしょう。
8-2. 数字だけでなく「減らす仕組み」を聞く
面接で「残業は月◯時間くらいです」と答えてもらえても、その数字だけでは判断しきれないことがあります。部署や現場によって差がある場合も多いからです。そこで、数字とあわせて「どうやって残業を減らしているか」を聞いてみましょう。
たとえば、事務スタッフが書類作成を手伝っている、ITツールで写真整理を効率化している、工期に無理のある工事は受けないようにしている、といった具体的な答えが返ってくる会社は、残業を減らすための仕組みづくりに取り組んでいると考えられます。反対に、「頑張れば早く帰れます」といった答えしか返ってこない場合は、個人の努力に頼っている可能性があるので、もう少し詳しく聞いてみるとよいでしょう。
8-3. 聞きにくいことは転職エージェントを通して確認する
面接の場では、残業や休日についてどこまで聞いてよいのか迷う方も多いと思います。そんなときは、施工管理に詳しい転職エージェントを通して確認する方法があります。エージェントは企業の担当者とやり取りをしているため、求人票に書かれていない働き方の実態を把握していることがあります。
聞きにくい質問を代わりに確認してもらえるのも、エージェントを使うメリットの一つです。転職エージェントの選び方や使い方については、施工管理の転職エージェントの選び方で詳しく紹介しています。
面接で聞かれることや逆質問の考え方については、次の記事も参考にしてください。
あわせて読みたい施工管理の面接で聞かれることは?【経歴別の回答例】逆質問・落ちる人の特徴も解説施工管理の面接で聞かれることを、共通の質問・未経験者向け・経験者向けに分けて解説。残業や転勤、資格取得の意欲…
9. 施工管理の残業時間についてよくある質問
Q. 施工管理の平均残業時間は月に何時間くらいですか?
施工管理の平均残業時間は、調査の方法や対象によって結果が異なるため、この記事では特定の数字を示していません。業界全体の傾向を知りたい場合は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査」など、公的な統計で建設業の労働時間を確認するのがおすすめです。ただし、平均値と実際の働き方は会社や現場によって大きく違うため、応募先ごとに確認することが大切です。
Q. 残業が少ない施工管理の分野はありますか?
一概には言えませんが、当サイトの掲載求人では、電気設備・空調設備の施工管理や、設備管理・メンテナンスの会社で年間休日125日以上の求人の割合が高めでした。ただし、休日が多いことと残業が少ないことは同じではなく、同じ分野でも会社によって働き方は大きく異なります。分野だけで決めず、個別の求人ごとに体制や休日の取り方を確認しましょう。
Q. 未経験から施工管理になると、残業は多くなりますか?
入社直後は、仕事を覚えるために先輩と一緒に現場に出ることが多く、担当する仕事の範囲は限られるのが一般的です。ただし、覚えることが多い時期は、慣れるまで書類作成などに時間がかかることもあります。教育体制が整っていて、チームで現場を担当する会社を選ぶと、無理なく仕事を覚えていきやすくなります。
Q. 固定残業代がある求人は避けたほうがいいですか?
固定残業代がある求人だからといって、残業が多い会社とは限りません。大切なのは、固定残業代が何時間分でいくらなのか、超えた分の残業代を別途支払うと明記されているかを確認することです。固定残業代を除いた基本給も確認し、ほかの求人と同じ条件で比べるようにしましょう。
Q. 派遣の施工管理なら残業は少ないですか?
派遣の場合は、契約で就業時間や残業の扱いが決められていることが多く、働き方の見通しを立てやすい面があります。当サイトの掲載求人でも、人材派遣の会社の求人は土日休みの割合が高めでした。ただし、派遣先の現場の状況によって働き方は変わるため、一概には言えません。派遣という働き方の特徴は、施工管理の派遣について解説した記事もご覧ください。
Q. 上限規制を超えて働かされている場合はどうすればいいですか?
まずは、自分の勤怠記録や、実際に働いた時間のメモを残しておきましょう。そのうえで、上司や人事に相談し、改善が見られない場合は、勤務先の所在地を管轄する労働基準監督署や、各地の総合労働相談コーナーなどの公的な窓口に相談する方法があります。働き方そのものを変えたい場合は、残業を減らす取り組みをしている会社への転職も選択肢の一つです。
10. まとめ:施工管理の残業時間は会社選びで変えられる
施工管理の残業時間は、工期や書類、天候、職人さんの作業時間に合わせた働き方など、仕事の性質上どうしても多くなりやすい面があります。一方で、業界全体の平均残業時間は調査によって異なり、実際の働き方は会社や現場の体制によって大きく変わります。数字の平均よりも、応募する会社の実態を確かめることが大切です。
2024年4月からは建設業にも時間外労働の上限規制が適用され、勤怠管理の見直しや週休2日、ITツールの活用など、残業を減らすための取り組みが広がっています。ただし、取り組みの進み具合には会社ごとの差があります。求人票では固定残業代の記載や年間休日、休日の取り方、夜間作業の有無を確認し、面接では残業の時間とあわせて「減らすための仕組み」を聞くようにしましょう。
ヨロズワークスでは、施工管理に特化したキャリアアドバイザーが、求人票だけではわかりにくい働き方の実態もふまえて求人をご紹介しています。残業の少ない会社で働きたい方、今の働き方を見直したい方は、無料で転職相談をするからお気軽にご相談ください。まずは施工管理の求人を探すから、休日や働き方の条件で求人を見てみるのもおすすめです。